税務
小規模事業者のための簿記講座【第1弾:簿記の基本概念 – 簿記とは何か、記帳の目的や重要性を理解する】
1. 簿記とは何か?
簿記とは、事業の収支や財務状況を正確に記録し、整理するための仕組みです。例えば、カフェを経営しているとしましょう。
📌 カフェの1日の取引例
取引内容 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
コーヒーの売上 | 20,000円 | お客様への販売 |
ケーキの売上 | 10,000円 | お客様への販売 |
コーヒー豆の仕入れ | -5,000円 | 仕入れ費用 |
牛乳の購入 | -2,000円 | 食材費用 |
家賃 | -10,000円 | 毎月発生する固定費 |
このように取引を記録することで、「売上はいくらか?」「経費の割合は?」といった事業の状況を把握できます。
2. 記帳の目的とは?
簿記を行う主な目的は、事業の経済活動を客観的に把握し、適切な経営判断をすることです。
✅ 記帳の主な目的
目的 | 詳細 | 具体例 |
---|---|---|
経営判断の材料 | 売上や利益を分析し、経営改善に活かす | 売上は増えているが利益が少ない→仕入れコストを見直す |
税務申告の基礎資料 | 適切な税金の申告や控除を受けることが可能になる | 正しい記帳をしていたことで税額控除を受けられた |
資金調達に役立つ | 銀行融資を受ける際の信用力向上 | 売上・利益のデータがあれば、融資の審査が通りやすい |
3. 簿記の重要性
🔹 簿記を活用するメリット
・事業の現状が明確になる → 無駄な支出の削減や利益の最大化が可能
・資金繰りがスムーズになる → 売上・支出を管理することで、資金不足を防ぐ
・税制上のメリットを活かせる → 青色申告で最大65万円の控除が受けられる
📌 事業主Aさんの例
Aさんは飲食店を経営していましたが、「なんとなく儲かっている」と思っていました。しかし、商工会議所の協力のもと、簿記をつけてみると、実は経費がかさみ、利益がほとんど出ていないことが判明しました。そこで、以下の改善策を実施しました。
✅ Aさんの改善策
・高コストな食材の見直し
・光熱費の節約
・不要な経費のカット
その結果、Aさんの利益は大幅に改善され、かつ青色申告による控除も活用でき、事業の安定運営が可能になりました。
✍ まとめ
✔ 簿記は、事業の収支を正しく記録し、経営を安定させるために不可欠
✔ 記帳を行うことで、税金対策や資金調達にも役立つ
✔ 数字を把握することで、無駄な支出を抑え、利益を最大化できる
✔ 蕨商工会議所のサポートを活用することで、より正しい記帳を行うことができる
日々の記帳を習慣づけ、事業の成長につなげていきましょう!